お酒の飲み方について母からもらった衝撃の助言

子どもの頃、コーヒーとお酒は憧れの飲み物だった。朝、母がいれるドリップコーヒーの香りは堪らなく大人の香りがして、「私も飲みたい」と何度もせがんだものだ。その度に母は「子どもがコーヒーを飲むと背が伸びなくなるからダメ」と私をたしなめた。
母はとても小柄な人だ。その身長のせいで自分が損をしていると感じていて、娘の私には背が伸びるように、牛乳を飲みなさい、魚を食べなさいと口うるさかった。私は牛乳も魚も好きではなかったので、それは苦痛でしかなかったのだけれど、今となってはしっかり母の言うことを聞いておくべきだったと反省している。母よりも身長は高いが、平均より低い私は、やっぱり背が小さくていろいろ困ることがあるからだ。こっそり母の目を盗んではインスタントコーヒーを飲んでいたことが原因ではないと思う。

お酒については、子供の頃にビールを好奇心から飲んでしまったり、お茶と間違えてのんでしまったりしたことが誰しもあると思う(※お酒は二十歳になってから!)。私も、幼い頃、麦茶と間違えて飲んでしまい文字通り「苦い思い」をした。今でもビールが苦手な原因のひとつがこの思い出のせいだと思っている。

母はコーヒーのときのように、お酒は飲むなとか飲みすぎるなとか否定的なことは一切言わなかった。そんな母からお酒についてもらったアドバイスがひとつだけある。

学生時代、二日酔いで寝ているところへ電話がかかってきた。具合が悪そうな私の声に心配する母。二日酔いだと告げると母は安堵したように笑い声をあげた。

そして、母は言ったのだ。

「焼酎だけ飲んでいれば、酔わないし、二日酔いにもならないのに」

母さん、それ、マジですか?

それから私は、その母のありがたい助言をできるだけ守るようにした。

でもさすがに乾杯から焼酎だと引かれるので、乾杯だけは梅酒など女子っぽい飲み物にした。

確かに焼酎は二日酔いにならない。母さん、さすがです。でも、酔うよ、普通に。泥酔することはなくなったから、まあいいか。

そんな母はビール党です。