厄落としのあとの一杯

女の30代は厄介だ。

何せ、厄年が2回もある。ほぼ厄年である。

そんな、30代初回の前厄の年、私は失業中だった。身体に不調はなかったものの、社会人になってお金に困るとは思っていなかった。

そして、今、第二回目の前厄。またしても失業中である。厄年恐るべし。

 

今回は、初回の前厄の時の泥酔話。

 

確か、あの年はリーマショックとやらの不況の最中で、仕事がまったく決まらなかった。応募をしても全然決まらない。書類さえも通らない。これが30歳の呪いなのかと思い知らされた気分だった。

貯金も底をついていたが、この不幸は厄年のせいにすることにした。己の努力不足や能力不足はとりあえず置いておくことにした。努力って大変なので。とりあえず、いったん、置いておくことにした。努力しないわけではない。

そんなわけで、友達を連れ立って、厄払いに行く事にしたわけです。

休日の午後、原宿駅前で待ち合わせ、明治神宮へいざ厄払いへ。

若者が多くて、三十路二人で待ち合わせは何だか肩身が狭かった。天気もいいし、若者たちが眩しかったなぁ。

おいくらで厄払いしてもらえるか書いていないんですよ。お気持ちで結構です、みたいなことしか。

いやいや、そこは神様、ハッキリ言ってもらった方がありがたいのですが・・・

いろんなところで「いくらからですか?」という声が聞こえて、どうも最低は五千円かららしくて、壱萬円、十万円とランクがあるらしいです。

初穂料?というですかね、五千円払いました。

待ち時間も含めて1時間も掛からず終わりました。お神酒とお札を頂いて、気分は晴れやか。

まだ日は高いですが、すっきりしたし、じゃぁ飲みに行こう、と。

 

渋谷の場外馬券場近くの赤提灯へ。

 

競馬帰りと思われるおっちゃんおばちゃんに混ざって、まずは乾杯。

明るいうちから飲むお酒って、素晴らしいですね。

どうってことない話しをして、とにかく飲む。二人で焼酎をロックでドンドン飲む。(ほとんど何を話していたか覚えてないので、どうせどうでもいいことだと思う)

つまみも安い。刺身から揚げ物まで何でもある。

周りのお客はどんどん変わる、おっちゃんおばちゃん達から、若者に変わり、サラリーマンが増えてきた。

 

「ちょっと!今、寝てた!」

 

友達に起こされた。

 

どうも、グラスを持ったまま、寝てたらしい。

 

この時、私は無職だったので、生活リズムが乱れに乱れていた。この日も寝たのは明け方で、睡眠時間は3時間程。しかも、久しぶりの酒。眠るなという方が無理でしょう。

 

時間は午後23時。

 

確か16時ぐらいから飲んでいたから、7時間も同じ店で飲み続けていたわけで・・・。迷惑でしたか?店員さん。

 

いつもは、朝まで飲む事が多いのだけど、さすがにその日はそこでお開きになりました。電車に乗って、コンビニで缶酎ハイを買って帰りました。

 

差し飲みなのに、ひとりが寝ちゃ駄目です。

 

ちなみに、飲んでいる最中に寝てしまったのは2回だけ。

 

この数年後、同じ友達と飲んでいる時にまた寝てしまったのでした。